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C型肝炎新規経口薬 臨床試験(第3相試験)で著効率100%の

 報道によると、26日まで神戸で開催された、第22回日本消化器関連学会週間で、国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長の溝上雅史氏らが新しいC型肝炎の経口薬の日本人を対象とした臨床試験の第3相試験で、投与12週後の著効率(SVR12)が100%となったと発表されました。
 この臨床試験の主な登録条件は20歳以上(年齢上限なし)、代償性肝硬変患者は最大40%まで組入れ可、血小板数は5万/μL以上など。好中球数 については制限が設けられなかったとのことです。(NS5A阻害薬の治療歴がある患者は除外)

 検査結果は、治療開始4週目には、LDV/SOF投与の初回治療群、既治療群、LDV/SOF+RBV投与の初回治療群、既治療 群のいずれの群においても、全例HCV-RNA量が検出感度以下になり、SVR12では、LDV/SOF投与の初回治療群は100%、同既治療群は100%、またLDV/SOF+RBV投与の初回治療群は96%、同既治療群は100%でした。

 この治療での有害事象は、LDV/SOF投与群の場合、鼻咽頭炎(29%)、 頭痛(7%)、倦怠感(5%)の順に多く、いずれもグレード1か2でしたが、リバビリンを併用した群よりも少なかったようです。

 溝上氏は、「ジェノタイプ1型の日本人C型肝炎患者において、LDVとSOFの併用投与はSVR12が100% で、忍容性は非常に高かった。また、RBVを併用するメリットは認められなかった」とまとめられました。

大阪肝臓友の会の記事と併せてお読みください

日本肝臓学会 C型肝炎治療ガイドライン第3.1版を発表

20141000C型肝炎治療ガイドライン第3.1版 日本肝臓学会

 日本肝臓学会は10月23日に、C型肝炎治療ガイドライン第3.1版を発表されました。昨年末のシメプレビル + ペグインターフェロン + リバビリンの三剤併用療法に対応し第3版への改訂に続き、インターフェロンフリー治療である、ダクラタスビル・アスナプレビルが使用できるようになったこと等に対応し、ガイドラインを3.1と改訂されたものです。

 この2つの治療は共に、使用及び対象症例の選択、治療には高度の専門性が必要なものです。第3版と第3.1版としての改訂の主な内容は、学会は次のように説明されています。 

2014年9月 第3版

●「C型肝炎の治療目標」を新たに記載

●「C型肝炎に対する抗ウイルス療法の歴史」の項を追加

●「SVRが得られた後のフォローアップの必要性」を「概要」へ移動

●ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法臨床試験の結果を追加

●これに伴い「概要」、1型高ウイルス症例に対しての推奨・治療フローチャートを変更

●「肝硬変に対する治療戦略」の項を新たに追加、推奨を変更

●C型代償性肝硬変(1型高ウイルス)に対する治療フローチャートを作成

●ガイドライン作成委員のCOI情報を記載

●「資料4」としてHCV薬剤耐性変異測定検査依頼先を記載

2014年10月  第3.1版

●ゲノタイプ2型再治療例に対するテラプレビルの適応追加を記載

京都府立医大附属病院 肝疾患相談センター 紹介チラシ

京都府立医科大学付属病院に設置されている、肝疾患相談センターから、同相談センターの活動を紹介するチラシ、リーフレットが届きました。

相談センターの活用を呼びかけられています。

会員さんには、次の会報の付録としてお届けしますが、次をクリックしていただければ見ることができます

京都府立医大附属病院 肝疾患相談センター リーフ

京都府立医大付属病院 肝疾患相談センター案内ちらし

 

舞鶴ウイルス性肝炎を考える会が医療懇談会

舞鶴市を中心に患者会活動をされておられる、「舞鶴ウイルス性肝炎を考える会」が、10月11日(土)午後、医療懇談会を開かれます。

肝臓病患者は、「どのように治療するか」で悩んでおられます。懇談会では、普段聞きにくいことなども含め、ざっくばらんに話せる懇談会とされるようです。

ご紹介します。

20141011舞鶴医療懇談会 ご案内

懇談会名   「高塚先生との医療懇談会」

日時     10月11日(土)午後1時30分から

会場     舞鶴市 中総合会館5階 多目的ルーム

テーマ    地域医療の現状や健康についての話し合い

       高塚先生との医療懇談会

 

C型肝炎治療 京都新聞に全面広告

9月21日付の京都新聞に、C型肝炎治療についての「全面広告」が掲載されました。

20140921京都 進歩し続けるC型肝炎治療

 製薬会社「ブリストル・マイヤーズ株式会社」提供の広告です。相談受付場所として、京都府内の肝疾患診療推進拠点病院に設置された京都大学医学部付属病院と府立医科大学付属病院にある肝疾患相談センターが紹介されています。

 「ブリストル・マイヤーズ株式会社」は、インターフェロンフリーの経口2剤の販売会社です。そのためかシメプレビル+インターフェロン+リバビリンの3剤治療や二つの治療の関係を示すガイドラインのことについては、ごく簡単にしか触れていませんが、読者には大きな影響は与えていると思います。

C型肝炎の医療費助成。府制度の制定、助成決定までの負担軽減を

 京都肝炎友の会と舞鶴ウイルス性肝炎を考える会は、2014年9月25日、京都府知事宛に「インターフェロンフリー治療の医療費助成が開始されるまで、窓口負担を求めないよう医療機関に要請を」と求めました。

医療費助成 窓口負担軽減の要望

 昨年のシメプレビルとインターフェロン+リバビリンの3剤併用療法に続き、インターフェロンフリーの治療も医療費助成の対象となりました。

 国の制度ですが、都道府県が制度の改定をしなければなりません。京都府は9月30日に府感染症対策協議会肝炎部会を開催し、制度改定を審議・決定され、10月中旬には京都府患者の申請受け付けが始まります。

 インターフェロンフリー治療を対象とした助成は、府の制度改定までの治療も、健康保険の対象とされた9月2日以降のものであれば、助成の対象となり、手続きをすれば負担上限額を超える医療費は返金されます。

 この治療は2週間に1回は通院しなければならず、一回7万5千円程度の治療費がかかります。助成開始まで3か月かかれば、40万円超の自己負担となります。健康保険の「高額療養費を現物給付化」手続きを取れば、窓口負担は一か月8万円程度の負担でおさまりますが、それでも3か月24万円必要となります。

 これでは、自己負担ができない方は、治療が必要でも受けることができません。制度開始時、対象治療拡大時も同様の問題が起こっていますが、中には、助成決定、手続き終了までは、自己負担を求めなかった医療機関もあり、インターフェロン治療を行う他の医療機関に京都府として、負担を求めないよう協力要請していただくことが必要です。

 医療費助成利用時に困ったことが有ったら、京都肝炎友の会へご相談ください。