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会報103号 -その6-

C型肝炎の研究-一つの歴史―

私たちは人間を一人二人と数えます。牛や馬は一頭二頭と数えます。虫は一匹二匹、対象によっては違う数え方もしますが、人以外に一人二人と数える生き物がいます。それは私たち人類と祖先を同じくするチンパンジーやゴリラで、霊長類ヒト科に分類されるのだそうです。

 このチンパンジーには、私たちヒトが特別な思いを寄せる悲しい過去があります。ヒトと遺伝的に大変近いことから苦役を強いられたチンパンジーがC型肝炎を克服した私たちに黙って問いかけています。

 話は、C型肝炎ウイルスがまだ見つかっておらず、非A非B型肝炎と呼ばれていた1970年代末ごろの話です。チンパンジーがヒト以外にこのタイプに肝炎にかかることがわかり、日米でチンパンジーを感染実験に用いるようになりました。感染したチンパンジーの肝臓組織や、血漿からC型ウイルスのクローンを抽出するのだそうですが、霊長類を生体実験に使うことの忌避感が強まり困難を極めたそうです。この研究は、培養細胞でウイルスの感染増殖が実現するまで続きました。2005年に脇田隆字先生(国立感染症研究所所長、肝炎対策協議会委員)らによる培養細胞感染系の確率で終止符を打つことになりました。これ以後、治療や創薬の研究が飛躍的に進み、今日に到りますが、生体実験をされ、C型肝炎になったチンパンジーのことは忘れ去られたようです。

 昨年の秋ごろネットである記事に目が留まりました。

「ウイルスの医学実験を受けたチンパンジーたちに治療薬を購入したい」という表題でクラウドファンディングを募っている記事でした。次のような内容です。

医療の進歩で、良い治療薬が開発され、ヒトのC型肝炎は治療可能になりました。チンパンジーも治療可能なはずですが、治療薬が非常に高価であること、熊本サンクチュアリの母体が「研究」を目的とする大学の組織であるため、飼育する動物の「健康管理や福祉向上」を目的とした活動への予算については優先順位が低いことから、これまでチンパンジーのC型肝炎の治療はできてないままでした。そこでこの度、クラウドファンディングを通じてC型肝炎ウイルスに持続感染しているチンパンジーたちに治療薬を購入できればと考えています。

 まずは一個体の治療薬購入費用を第一目標金額として目指します。もし目標を超えてご寄付いただいた場合は二個体目以降のC型持続感染のチンパンジーの治療薬の購入や、現在障害

が出ているチンパンジーたちの対処療法のための薬購入に充てさせていただきたいと思います。かつて未知だったウイルスへの治療薬開発のために力を貸してくれた彼らに、彼らが生きている間に、私たち人間が恩返ししなければなりません。

1個体の薬代は約400万円かかるのですが、C型新薬ウイルス排除ができて治った方は高価な薬であることはよくご存じのはずです。この熊本サンクチュアリでは8個体の薬代を集めるためにクラウドファンディングを呼びかけて集まったお金で、順々に薬を購入しているそうです。

この話題は日肝協の幹事会でも議論となり、応分の寄付をしようと全員が賛同しました。日肝協自体が社会から援助を受ける立場であるので大したことはできないにしても、このチンパンジーたちを見過ごすことはできないと全員が思いました。

※2022年10月31日現在約2400万円が集まり、このクラウドファンディングは成立しています。しかし8個体全員の治療代にはまだ届かず、熊本サンクチュアリでは引き続きの応援を呼びかけています。

ー肝臓のなかまより転載ー(日肝協の情報誌)

第9回世界・日本肝炎デーフォーラム

第9回世界・日本肝炎デーフォーラムweb開催

  世界の肝炎患者と手を携え、すべての肝炎患者に社会的支援を!

肝炎患者のみなさん、ご家族のみなさん、 医療関係者のみなさん、ふるってご視聴ください

WHO(世界保健機関)の呼びかけにより、厚生労働省は毎年7月28日を「日本肝炎デー」に設定、肝炎の蔓延防止、差別偏見の解消、感染予防など啓発活動を実施するよう呼びかけています。日肝協は患者団体として独自の「肝炎フォーラム」を今年はWeb

にて開催、世界の肝炎の現状や問題点をみなさんと一緒に考えます。

○視聴期間  2021年7月28日(水)10:00~

          8月3日(火)23:00

○内容 1.開会式 主催者挨拶、来賓(厚労省・日本肝臓学会・国会議員・知って肝炎プロジェクト等)

    2.記念講演「アフリカにおけるウイルス性肝炎の現状」

       講師 パリ・パスツール研究所 島川 祐輔 先生

○視聴はこちらから ttps://nikkankyou.net/category/about/

        視聴期間中に日肝協のホームページにアクセスしてください

   視聴無料・事前申込不用

主 催 日本肝臓病患者団体協議会

連絡先 161-0033 東京都新宿区下落合4-27-5-201

    Tel.03-5982-2150(祝日を除く火・木・金 10:00~16:00)

※ 日肝協 世界・日本肝炎デーフォーラム 資料集タイムスケジュール

  http://oosaka-hepatic.cocolog-nifty.com/01/files/21728kan_day_data.pdf

情報:YouTubeで視聴できます

日本肝臓学会 肝がん撲滅運動公開講座 岐阜県

 岐阜大学医学部附属病院肝疾患診療支援センター

 ○視聴期間 2021年3月8日~

 ○ユーチューブで下記から視聴できます。(無料)

 ○内容

  ①肝疾患診療支援センターにおける肝相談について

  ②肝がん撲滅のために知っておきたいこと

  ③肝疾患と栄養

  ④ただしい服薬とお薬手帳の活用

  ⑤社会保障制度に関する相談について

いかがお過ごしでしょうか

世の中の状況が、誰も経験したことのない日々ですね。何か良いことないかなぁ~と過ごされているかもしれません。

いかがお過ごしでしょうか

4月から京都肝炎友の会の会費振込み方法が変わりました、会報でお知らせさせていただきましたが、誤りがありましたので、もう一度おしらせさせていただきます。

ゆうちょ銀行からの方   

記号 14120  番号45265911

他の金融機関からの方

店名 四一八(ヨンイチハチ) 

店番 418 普通預金 4526591

医療講演会の報告

10月20日日曜日に医療講演会を開催しました。肝炎患者にとって、肝臓がんは常に考えておかなくてはいけないことです。私たち患者に肝がんがどのように診断されるのか、そしてどんな治療があるのか。わかりやすく説明していただきました。なるほどとわかりました。交流会では、いろんな話題が出ました。今のそれぞれの状況を語り合い、心が軽くなったような気持ちです。