肝がんに対する治験始まる
■ 新分子標的治療
肝細胞癌に対する新しい臨床試験がスタートしました。肝機能が良好で進行癌の患者様に対しての臨床研究です。条件はネクサバール投与前の患者様でも投与中の患者様でも結構ですが「AFP400ng/ml以上の患者様」を対象にしたラムシルマブの臨床試験です。前回のラムシルマブ第Ⅲ相試験では明らかに患者様の予後を延長させます。
■ 免疫チェック阻害剤治療
さらには現在全ての癌の領域で現在極めて注目を浴びている免疫チェックポイント阻害剤のPD-1抗体の臨床試験も前回と違うものが始まります。本年6月のアメリカ臨床腫瘍学会で肝細胞癌の免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブ(小野薬品、ブリストルマイヤーズ共同開発)の成績が発表されましたが、10cmの肝癌や両葉多発結節が完全に消失するCR例が2例及び部分奏効も含めた奏効率が約20‰でSD例も含めると70%で治療効果がでます。その効果は進行癌にもかかわらず1年半以上続くという極めて画期的な免疫療法です。
12月くらいから臨床試験が再度始まります。肝機能がChildAの良い方であればネクサバールを過去に服用していてもいなくても、また過去に臨床試験を受けている方でも対象となります。
※注釈:「ラムシルマブ」(日本イーライリリー)本年6月22日、切除不能な進行・再発の胃癌を対象に日本でも承認されました。
,※注釈:固形がんの大きさの客観的な変化を記載:完全奏効(complete response; CR),部分奏効(partial
response; PR),安定(stable disease; SD),進行(progressive disease; PD)